傷害事件
傷害罪~刑法204条
10年以下の懲役又は30万円以上の罰金若しくは科料
傷害罪における傷害とは、人の生理的機能に障害を加えることをいいます。 例えば、意に反して髪の毛を切断した場合は、出血も痛みもありませんが、その行為は傷害にあたります。 その他、性病を感染させたことや、キスマークをつけたことも判例により傷害にあたるとされています。
傷害事件の対応策
本人が認めている場合には、被害者と示談をすることが重要です。示談金については、被害者の怪我の程度が大きければ、それだけ示談金の金額も大きくなる可能性が高いといえます。
また、こちら側も怪我をしている場合には、その怪我について診断書をとったり、診断書がとれないまでも写真をとって怪我をしていることを記録しておくと後になって使える可能性があります。
傷害事件 Q&A
知人の発言に頭がきて殴ってしまいました。相手には傷害だといわれ、訴えられたくなければ慰謝料をよこせと言われています。どうしたらいいでしょうか。
いくら発言に頭がきたからと言っても、殴ってしまった方が悪いこととなります。
示談をして、被害届を出さない、刑事告訴しないなどの書面を作成することは可能かと思います。もっとも、書面の内容や示談金の金額など、よく分からないことが多いかと思いますので、なるべく早期に弁護士に相談した方が良いでしょう。
お酒に酔った勢いで殴ってしまいお互いに怪我をした状態です。相手が先にケンカを売ってくるような言葉があり、ケンカをしてしまいました。その後現場に警察がきてお互いに警察署へ連れて行かれました。私としてはあっちがケンカを売ってきたのに、私が悪いのでしょうか。正当防衛にならないでしょうか。
たとえ相手方が喧嘩を売ってきたとしても、手を出した方が悪くなります(処分や罪を決める際の事情の1つにはなり得ます)。
相手方もあなたに暴力をふるっているのであれば、正当防衛ということもありえますが、単に挑発してきただけで何ら暴力をふるっていない場合は、正当防衛とまではいえないでしょう。
相手方の医者にかかった料金とか全部払わなければいけないか。
こちら側だけで一方的に暴力をふるったということであれば、被害者の治療費等を賠償しなければなりません。
もっとも、相手方から提示された金額が妥当か否か判断に迷うことはあるかと思いますので、その時には弁護士に相談した方が良いでしょう。
傷害事件を起こしてしまった場合、この後どのような流れになりますでしょうか。
傷害事件を起こした後の手続きについては、逮捕されるか否かによって異なります。
まず、逮捕されなかった場合、すなわち身柄を拘束されなかった場合には、在宅事件として、捜査が進むことになります。具体的には、家には帰してもらえますが、警察などから呼び出しがあった場合には出頭しなければなりません。出頭して、事件のことについて話などをすることとなります。
次に、逮捕されてしまった場合には、身柄が警察署などに拘束されてしまいます。そして、逮捕から72時間以内に検察庁へと送致され、勾留されるか否かが決まります。勾留されなかった場合には、在宅事件と同様に、自宅に帰ることができます。勾留されてしまうと、さらにまず10日間ほど身柄拘束が続きます。そして、勾留は1回だけ延長することができ、最大でさらに10日間勾留が続く可能性があります。すなわち、勾留は最大で20日間される可能性があります。
弁護士がついた場合には、早期に示談するなどして、出来る限り早く身柄が解放されるように活動していくこととなります。
示談にする場合どのくらいお金がかかりますか。
示談金については、被害者の怪我の程度などを勘案して決めることとなります。
怪我の程度が重ければ、当然治療費等や慰謝料なども大きくなりますので、示談金も大きくなります。
会社の人に知られますか。
会社に連絡をとる必要がなければ、基本的には会社に知られることはないでしょう。
もっとも、逮捕・勾留された場合には、必然的に会社を休むことになるため、会社に発覚する可能性はあります。
家族に連絡はいきますか。
家族には警察から連絡がいくものと思われます。
相手が傷をおっていなくても、傷害になりますか。
傷害は被害者に傷害結果が生じた場合に成立します。ですので、傷害結果が生じていない場合には、傷害罪は成立しません。
テレビや新聞にのってしまいますか。
ある程度社会的地位がある人であったり、公務員であったりするなどの場合にはテレビや新聞に載る可能性はあるかと思います。
もっとも、犯罪行為が全てテレビや新聞にのるわけではありません(発生する全ての事件を新聞に載せていたら、他の記事を書くスペースがなくなってしまうでしょう)。
男性が女性を殴ってしまった場合、罪はおもくなりますか。
男性が女性を殴ったということだけで決定的に罪が重くなることはないかと思います。
もっとも、女性よりも男性の方が一般的にいって力が強いですから、それだけ傷害結果が重くなり、罪が重くなる可能性はあるかと思います。